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「二十歳の自分」

  • ACS事務局
  • 2024年1月16日
  • 読了時間: 3分


みなさんこんにちは。


アスリート専門心理カウンセラーの岡安です。


現在スポーツ庁キャリアセンターにてアスリートキャリアコーディネーターとしてアスリートのカウンセリングを担当しています。


私が応援しているのは「二十歳の自分」。


元アルペンスキーの選手です。


16歳でスポンサーにサポート頂きがんばっていました。


しかし、20歳の時、大会中の転倒で左ひざ前十字靭帯を断裂、予期せぬ突然の引退と言う厳しい現実を突き付けられます。


当時、誰かに話を聞いてもらえればよかったのですが、友人はみな同じ選手、コーチ監督は現役優先、親とケンカしながらスキーをしていましたので、親にも言えず・・・


まったく誰にも相談することが出来ず、独り自暴自棄になっていました。そして、ついに遺書を書き終えるところまで落ちてしまいました。


そこにたまたま掛かってきた一本の電話。当時サポートしていたパラチームの監督です。


「かずまさ!おまえ足やっちゃったんだってな・・・」


「ええ。あのー、もうオレに関わらないでもらえますか?誰とも話したくないんです・・・」


「おまえ、コーチで帰って来いよ。みんな待ってるぞ!」


自分にも帰れるところがあった。


これが私の運命を変えました。


その後、膝のオペを決断、2年にもおよぶリハビリを克服し、パラチームのプロコーチとして復帰します。


1994年リレハンメル、1998年長野パラリンピックのアルペンスキーナショナルチームのコーチスタッフとして参加。


以降、日本身体障害者スキー協会理事、ジャパラ大会役員、アジアカップ大会役員を経験、パラアスリートのサポートを行ってきました。


その後、一般企業に就職、会社員を経験。


しかし4年前に過労で倒れます。脳卒中でした。


緊急搬送が早く一命は取り留めました。


そうしてこう感じてしまったのです。


「俺は生きてる。。俺は何をやってたんだ・・・」


「もしかして、生かされたんじゃないのか?まだ死んじゃダメだったんだ・・・」


「俺が生かされた理由とは・・・」


そうです。


自分が生かされた唯一の理由。


まだ二十歳の自分を助けられていない。


同じように、人生の絶望を経験してしまった後輩アスリートを助けなければならない。


そこからカウンセラー資格を取得、24年務めた会社を退職。アスリート専門心理カウンセラーとして起業しました。


私が応援しているのは 「二十歳の自分」。


同じようにつらい思いを経験してしまった後輩アスリートの悲しみの声を聴いて、再び前を向く勇気を与えています。


そして今日も、独り悩み、苦しんでいるアスリートの心の叫びを聴いています。


※先日開催された「応援アワード2023~巻き起こせ!応援ムーブメント~」(後援:スポーツニッポン新聞社)でエピソード部門賞を受賞した内容です。





 
 
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